魔術の伝承と知識-About Witchcraft-

魔術における呪文の役割

呪文とは、それ自体に超常的な力、ないしは魔術師の意図を伝える役割を持つ言葉です。魔術師たちは呪文を使い、天使や精霊、悪魔と交信し、自分の願望を叶えるための儀式を行なってきました。多くの人が知る呪文の中には、『アブラカダブラ』や『エコエコアザラク』といった簡素なものがありますが、実際の儀式では何千文字にも及ぶ長い呪文を述べ、延々と続く儀式をこなすのです。では、実際にどのような意味を込めた呪文を唱えているかご存知でしょうか。以下に、魔術の基本的な様式で使用する呪文の断片をご紹介いたします。断片とはいえ、安易に口に出すことは危険を伴います。目で追うのみにとどめることをお勧めいたします。

魔術における呪文の役割

◆予備召喚の呪文

魔術師の身を守る魔法円に力を与えるための呪文です。この呪文は、儀式の冒頭で読み上げます。この呪文を唱えることによって、東西南北に各方位を司る天使を召喚し、四方向を守護してもらいます。

幸いなれ、ラファエルよ。その御霊は山頂より立ちのぼる微風にして、黄金色の衣は輝ける太陽の如し。

◆召喚の呪文

悪魔召喚の際には、強度の異なる何種類もの呪文が用意されています。一度の呪文で悪魔が服従することはまれで、魔術師たちは幾度も繰り返し呪文を唱え、悪魔が従うよう仕向けるのです。

汝よ来たれ、穏やかに、目に見える様に。好意的に、そして遅れる事なく。我れが望む通りの姿で。

◆命令の呪文

悪魔との主従関係をうまく結ぶことができたら、実際に願望を叶える力を貸すよう命令をします。ここでも、数段階の強度の異なる呪文を用意し、悪魔を従わせるのです。何度か試してもうまくいかない場合、最終手段として用意した最も強い呪文を放ちます。

汝、我に従うことは正し。七大天使たるミカエル、ガブリエル、ラファエル、ウリエル、カマエル、ハニエル、ザドギエルの名において。

◆立ち去りの呪文

命令が終わったら、速やかに悪魔を帰らせます。この作業は重要で、確実に悪魔が退去したことを確認しなければ、その後不利益を被ることもあります。そして、つられて集まった霊体や邪気を退散させ、魔法円を清める必要があるのです。

すべての影をなからしめ、輝ける光をもたらすこの聖域より、汝ら退散すべし。

本物の魔術書に記載されている呪文は、サクソン語、ヘブライ語、ラテン語など、魔術文化発祥の地の言語や、魔術特有の文字記号などを用いて記されたりします。このように、呪文は本来固く封じられているものなのです。また、黒魔術においては、呪文は悪魔と交渉するための特別な言語でもあります。それらを紐解き、安易に口に出すことは、偉大な魔術師でさえ粉砕されてしまうほどの危険を伴うことなのです。どこかで呪文の全文を目にしたとしても、不用意に口にすることはお勧めできません。

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