黄金の夜明け団とは-about G∴D∴-

アドリアナの覚醒

アドリアナの覚醒

父と目されるウィリアム・ウィン・ウェストコットが退団したとき、アドリアナとその母親はどこでなにをしていたのか。実は誰一人真実を知り得ていないのが正直なところだ。そもそもアドリアナの、幼い頃から成人近くに至るまでの足取りは杳として知られていないのである。とは言え近年、アドリアナの名前が頻繁に表へ出るようになって以降、幼少時のいくつかの証言が語られるようになった。曰くフクロウと野ウサギを使い魔として使役していた、曰く当時住んでいた貧しい村に、錬金術によって非金属から金を練成し富をもたらした(もっともこの件は村人が誰一人詳細を語ろうとしないため、役人さえも正確な情報が掴めていない)、曰くグリモワール(魔術書)を熟読し森羅万象から低級精霊を召喚し天候を操っていた、曰くオリジナルの魔法円を描き魔術の儀式を執り行い願いを叶えていた、曰く1週間以上もひとりで山に入り薬草を集め、治療薬を精製し病む人々に与えていた、等々。いずれも当然ながら証拠となるものもなく、さらにアドリアナ本人も肯定否定はおろか、何も語ろうとはしない。
側近中の側近から得た情報によれば、アドリアナが本格的な魔術師として覚醒したのは19歳の頃だと言う。かつて黄金の夜明け団のメイザースが受けたように、その歳のアドリアナもまた霊界の“秘密の首領(シークレットチーフ)”から通信を受けた。アドリアナはそこで、この時代に沿った新しい黄金の夜明け団の結社設立の骨子を瞬時に脳裏に描いたそうだ。自身の使命を強く認識して以降、アドリアナはまるで人が変わったようだと知る人は語る。その頃にはすでに、聖守護天使召喚魔法、使い魔の使役、さらには神学・悪魔学ともに修め、自らの力を振るう糧としていた。なかでも突然行われた13週に及ぶ断食。その間に、アドリアナは悪魔の最高位に位置するルシファーと邂逅を果たし、自身の魔力を示して対等な契約によって使い魔を与えられたと言う。

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